初回面談で見る「3つのサイン」
~面談の現場から~

はじめに
キャリア相談でもメンタルヘルス相談でも、初回面談には独特の緊張感があります。
相談者は何を話せばよいのかわからないことがありますし、キャリアコンサルタントも限られた時間の中で相手を理解しようとします。
相談者の中には、自ら希望して面談に来る方もいれば、会社から案内されて来る方もいます。
いずれにしても、初対面の相手にいきなり本音を話すのは簡単なことではありません。
今回は、私が初回面談で大切にしていることと、その中で見えてくる「3つのサイン」について書いてみたいと思います。
まずは安心して話せる場をつくる
私は面談の冒頭で、事務的な説明を行った後、まず自分自身の自己紹介をするようにしています。
どんな仕事をしてきたのか。
なぜキャリア支援に関わっているのか。
どんな考えを持っているのか。
そんな話をしたうえで、
「今度はあなたのことを教えてください」
と自己紹介をお願いしています。
これは必ずしも正解とは限りません。
しかし、特に社外キャリアコンサルタントとして社員の方と面談するときには、有効だと感じています。
初対面の相手からいきなり質問されるよりも、まず相手がどんな人なのかを知った方が話しやすいこともあるからです。
否定しないことを大切にしている
また、私はできるだけ笑顔(微笑み)を絶やさないよう心掛けています。
そして、相手の話を否定しません。
「なるほど」
「それは大変でしたね」
「へえ、そうなんですね」
どんな話であっても、まずは受け止めるようにしています。
相談者の中には、
「こんなことを言ったら呆れられるのではないか」
「こんなことを言ったら軽蔑されるのではないか」
「甘えていると思われるのではないか」
そんな不安を抱えている方も少なくありません。
だからこそ、私は評価するのではなく、理解しようとする姿勢を大切にしています。
すると、最初は硬かった表情が少しずつ和らぎ、本音に近い言葉が出てくることがあります。
そして、その頃になるといくつかのサインが見えてきます。
サインは探そうとして見つかるものではありません。
安心して話せる関係ができたときに、自然と見えてくるものだと思っています。
サイン1 言葉と感情が一致していない
たとえば、
「特に問題はないんです」
と言いながら表情が暗い。
あるいは、
「大丈夫です」
と言いながら明らかに疲れている。
本人は問題をうまく言語化できていないのかもしれません。
あるいは、自分でも問題だと認めたくないのかもしれません。
そんなとき私は、言葉だけではなく、その言葉を語るときの表情や雰囲気にも注意を向けています。
大丈夫ですか?」と聞かれれば、多くの人は「大丈夫です」と答えます。 だから私は、大丈夫ではなさそうな人に「大丈夫ですか?」とはあまり聞きません。
その代わり、
「最近、どんな感じですか」
「何か気になっていることはありますか」
といった形でお話を伺うようにしています。
サイン2 自分のことを語れない
面談では、仕事内容や職歴についてお話を伺うことが多くあります。
しかし、
「会社はこう言っていて」
「上司からはこう言われていて」
という話はたくさん出てくるのに、
「私はこう思います」
がなかなか出てこない方がいます。
長い間、周囲の期待に応え続けてきた人に比較的よく見られる印象があります。
自分の気持ちよりも、周囲の評価や期待を優先してきた結果、自分の本音が見えにくくなっているのかもしれません。
サイン3 未来の話が出てこない
面談では過去や現在の話が中心になることが多くあります。
それ自体は自然なことです。
しかし、
「これからどうなっていたいですか」
「どんな働き方をしたいですか」
と尋ねたとき、言葉が止まってしまう方がいます。
これは能力の問題ではありません。
疲れている人や孤立している人ほど、未来を考える余裕を失っていることがあります。
人は希望を失うと、未来を語れなくなります。
私はそのような場面に何度も出会ってきました。
本当に見ているもの
もちろん、この3つのサインが見えたからといって、何かを診断できるわけではありません。
面談は診断の場ではないと考えているからです。
私が見ようとしているのは、相談内容そのものというより、
「この人は今どんな状態にいるのだろう」
ということです。
解決策を急ぐことよりも、まず理解すること。
私はその方が大切だと思っています。
おわりに
初回面談で大切なのは、相手を評価することではありません。
相手を理解しようとすることです。
だから私は、まず安心して話せる場づくりを大切にしています。
言葉と感情のずれ。
自分の気持ちを語れるかどうか。
未来を語れる状態にあるかどうか。
そうしたサインは、信頼関係ができた先ではじめて見えてくることが少なくありません。
面談は答えを与える場ではないです。
その人が自分自身の声を取り戻していくための入り口なのではないでしょうか。
私は面談のたびに、そのことを意識しています。
ZERO ORIGINについて
ZERO ORIGINは、「自分らしく働く人を増やす」ことを目指し、キャリア支援と組織支援を行っています。
技術職としての現場経験と心理学の知見を活かし、キャリア、メンタルヘルス、組織づくりをテーマに、一人ひとりの声に耳を傾ける伴走型の支援を実践しています。
キャリアの悩みも、職場の課題も、個人だけの問題ではなく、人と組織との関係性の中で生まれることが少なくありません。
本ブログでは、人と組織がより良い関係を築くためのヒントを発信しています。
キャリア相談、組織運営、人材育成に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
▼ ZERO ORIGIN
https://www.zeroorigin.jp
![]()

はじめに


