楽観ロックのつぶやき

皆さんのおそばに一言添えたい。

(読了)ムゲンのi

知念実希人
 久しぶりにすごい作品を読んだ気がする。ファンタジーかと思いきやめっちゃミステリー。いや、やっぱりファンタジーかアドベンチャーか。
 ミステリー作品が3つも4つも詰め込まれて、それぞれが深く絡み合っていて、それがファンタジーのようなアドベンチャーのような、かつ文学的で詩的な表現で綴られる。沖縄出身の医者である作者だからこそ語られる内容のせいか、医学的な知識も謎解きには用いられるし、ファンタジーの世界には沖縄出身の影響が色濃く現れる。映画インセプションのような世界ではあるが、まぁそれは横においておいて。。。
 そう思っていたら、本の説明には「医療✕ミステリー✕ファンタジー、驚きと感動のフィナーレ!」とある。誇張なし、まさにその通りであった。

 最初のエピソードっぽい、久米さんの話など最後の方に来るともう遥か彼方に読み終えたミステリー作品のような気がするくらい、濃密で壮大な世界の作品であった。
 タイトルの「ムゲンのi」も、途中までそういうことだろうな、、、と思っていたが、最後にはいや違う意味だったのか!?とこんなところにもトリックというのか仕掛けがあったりする。
 全体通したミステリーとしてのあらすじも驚きの結末とともに語られ、驚かないぞ、と構えて冷ややかに読み進めようとしていた私をして、いやそれちょっとびっくり、、、みたいなことになった。
 三年連続本屋大賞ノミネートされた作者とのことで、これは他の作品も読まんといかんな。。。