楽観ロックのつぶやき

皆さんのおそばに一言添えたい。

(読了)彗星を追うヴァンパイア

河野裕
 なぜこの本を手に取ったのか、今となってはわからない。どこかの書評で高評価だったのかもしれない。私の個人的な感想で言えば、うーん、なんだかよくわからない、、、だった。
 学術に没頭すること、我々人類は先人たちのその学識などの上に成り立っていること、そしてそれを更に高みに上げ続けることを持って進化していく、ということなのだが、それを永遠の命をもったヴァンパイアの視線をまじえながら紡いでいく物語、とでも言うのだろうか。
 我々は必ず先人たちの上に立っているんだ、ということはよく思う。仕事においても、先輩たちが気づきあげてきた顧客との信頼関係の上にあぐらをかいているようなものだし、科学技術の発達だってそうだ。先人たちが血の滲むような、人生をとした研究の成果についてはちょろっと本や論文を読んだだけでものにできてしまう。それを更に高めて、自分の成果を後世に残さねば先人たちに申し訳ないし、この世に生まれた価値も低いってもんだね。
 作品的には、アイザック・ニュートンとか著名な学者が出てくるんだけど、なんとなく描写が弱くて、イメージができなかった。僭越ながら言わせてもらえば、登場人物の視線の動きであったり挙動であったり、造作についてももう少し書き込んでくれないかな―なんて思う。
 タイトルの意図は全編読んでみてしっくり来る内容なので、個々で触れるのはやめておきます。こういう作品は、ヴァンパイアが出てくるので、一応ファンタジーとか言うのかな。まぁ無粋なカテゴライズは不要だね。