上下二巻読了いたしました。
何故か日本人は真田家好きですよね。かくいう私も、大阪に単身赴任しているときにどうしても行きたかった九度山へ単身訪れたりしています。
何が好きか、というと様々ですね。幸隆の時代から昌幸、信之(信幸)、幸村へ続く真田家生き残りの物語は、それぞれの特徴が彩り鮮やかであるために人を引き付けるのかもしれません。
特に人気の高い幸村は、義の人、昌幸にも負けない智謀の人でありながら、大阪夏の陣での悲壮な散り際が判官びいきな日本人にウケるのでしょうか。しかしながら地方の豪族から頭角を表しながらも周囲の強力な大名に囲まれた土地柄の中歯を食いしばりながら一族を拡大してきた幸隆、それを受け継ぎ、使える主君を替えながらもなんとか生き残りの道を模索し、最後は失意の内になくなる昌幸、一族生き残りのため父と離れ、それでもなおかつ義をも重んじた信之。
特に信之は、本当は幸村のように、真田の意地を見せたい気持ちを抑え、一族存続のために家康に仕えたのではないかと思ったりもする。
作品的には、個人的には素晴らしいとまでは言えないが、3人(4人)のそれぞれの色を明確に書き表そうと意図、沼田・上田にこだわり、地域と中央の間に揺れる時勢を描き出そうという試みもまぁいいのではないかと。司馬遼並の毒気はないので比較的全世代に読ませられる(司馬遼太郎の作品は子供には読ませたくないシーンが。。。)ものだが、もう少し三代を魅力的に描けるのではないかなぁ、と思う。もちろん私は掛けませんが。。。
にしてもですよ、どの小説、ドラマを観ても、大野治長には腹が立つ。