楽観ロックのつぶやき

皆さんのおそばに一言添えたい。

(読了)信長 暁の魔王

天野純希作。

 これ絶対タイトルよくない(個人的に)。読んでいると、たしかに魔王的なところもあるかもしれないが、信長も普通の人間だったのかな、と等身大の人間像を強く感じる。
 魔王のようなところは、その生まれ育った環境が強く影響しており、信長の個性はそれによる形作られていると感じる。そういった幼年期から青年期を経て成年期とつながる時代の物語であった。
 いわゆる桶狭間の戦いを終えた当たりまでの物語であり、その時代は尾張の弱小武将であり、あちこちからの恐怖を感じ、なんとか生き延びている、という頃である。母親の愛を感じないところ、そりゃ気を引きたくて変わった行動を取るのは子供にありがちであるし、奇異と見られる姿格好も本人的には合理的である。
 アドラーの目的論に照らし合わせてみれば、大うつけと言われる行動はすべて人から愛されたいという目的があったのではないか、と思っても良いと思う。

 新たな視点で信長を感じることができた。