楽観ロックのつぶやき

皆さんのおそばに一言添えたい。

(読了)オーデュボンの祈り

伊坂幸太郎
 これがデビュー作なんだ。。。意識せず手に取ってみたが、印象的には村上春樹がミステリーを書いた、みたいな。
 喋るカカシとか、人殺しを認められた桜とか、主人公の幼馴染でとんでもないヤツの城山とか、きっと何かのメタファーなんだろうな、と意識させられる。そもそも現代の時代において、150年も世の中と隔絶された島という設定が、非日常である。そんな設定の中、非日常の設定の中での非日常な事件。非日常の設定の中で、主人公の思いや喋るカカシの発言内容など、謎というか暗示というか、物語を彩る内容がいちいち個性的でとても詩的だった。
 だけど最終的にはミステリー仕立ての謎解きになっていたりして、わたしは何を読んだんだろうか、と不思議な感覚に陥った。
 20代でこんな作品を書く著者は異常な才能の持ち主だと思う。まぁ、他の作品もすごかったけど、これがデビュー作だと思うと、いやはやすごいものだ。