皆川博子著
別の作品が読みたかったのですが、手に入らず、代わりと言ってはなんですが、これを読んでみました。皆川さんの作品は初めてです。
印象としては、アイルランドの海賊女王を題材にした大河ドラマ、という感じでした。
時は16世紀で、場所はイングランドとアイルランド。この時期は日本でも応仁の乱に始まり下剋上の世の中で世界的に荒んだ時期だったのかな、と思います。イングランドの絞首刑などは、日本の処刑よりも凄惨で、それを楽しむ民衆など現代では想像もつきません。
主人公のグローニャが9歳の頃から物語は始まるのですが、幼い頃からゆくゆくは皆をまとめる立場になっていきそうな雰囲気を醸し出します。そんな彼女が女になり、母となり、首領となり、海賊女王とよばれるようになっていく物語。その中には数しれない苦労と戦いが繰り広げられます。
ケルトの文化などには知識はなく、日本の大河ドラマのような引き込まれ方はしないですが、分厚い上下巻、ダレることもなく一気に読破させる作品でした。
皆川さんは1930年生まれとのことで、本作を創作されたときはすでに80歳とのこと。そういった意味でもすごいなぁ、と思います。