「関ヶ原より熱く 天下分け目の小牧・長久手」
白蔵盈太著
前回著者御本人からコメントいただいたこともあり、アマプラでなく、ちゃんと購入して(笑)読みました。
いつもの白蔵さんのノリの文体、口調で気軽に読める上に、限られた史実の情報の中から著者ならではの視点で、あーそうだったかもなぁ、と思わせて面白い。ただ、白蔵さんの文体はいつも軽すぎて、人の死についても軽んじられている印象を持ってしまう。結構密な付き合いをした人が、腹切ったり、討ち取られたりなんて、かなりショックだったのではないかな。それとも下剋上の戦国時代、みんなもうしょうがない、と慣れ、受け入れていたのかな。。。
昨年の大河ドラマの「どうする家康」での石川数正の出奔についての描かれ方と、本作で書かれた本当の理由は同じような意味あいだったのはすんなり。
他の方の書評では、秀吉や家康が何もできなさ過ぎる凡人の描かれ方、なんてネガティブコメントがあったが、そんなすごい人なんてそうそういないので、私はこのくらいだと思うな。強いて言うなら、官兵衛すごすぎ、というくらいか。
あとがきにも書いてあったけど、この時代の出来事は出来事として、残っている資料は何があった、がわかっても、何を考えていたのか、どうしてそうしたのか、なんていう随想録とか残っていないから、きっとこうだった、なんていう小説ができるわけで、歴史家、小説家毎に内容は違うもの。本当にその時に生きていないとわからないことも多いだろうな。でもイメージすると面白い。
てなことを思ったわけです。こうなると今川義元の作品も読みたくなる。