楽観ロックのつぶやき

皆さんのおそばに一言添えたい。

(読了)アマテラスの暗号

 伊勢谷武の「日ユ同祖論」をテーマにしたミステリー仕立ての小説。

 数々の一致は、もはや偶然とは言えない、日本人の祖先はイスラエルの失われた十支族の一つとしか思えない!ということが山盛りである。こじつけには感じない書き方で説得力も非常に高い。
 が、なぜそれに関する秘密が殺人事件にまで発展したのか、理由付けはいまいち。ストーリーが進んでいくにしたがって明らかになるのか、と期待して読み進めるも、最後まだ私には分からなかった。もうチョットちゃんと読まないといけないのかな。
 また、主人公の仲間がことごとく神話や日本の歴史に半端なく詳しい、というのもなんか違和感。そこを除けばストーリー的にはこのテーマを無理やりミステリー仕立てにしたにしては、よく出来てる、頑張って書いたなぁ、という印象はある。
 日本の神話との不思議な一致にしても、これだけの根拠を示すのは歴史資料の調査読み込みは半端ない作業だったんだろうな、と関心する。
 最後の結論はあやふやにぼかした感じではあるが、全体的に結構刺激的な作品でした。真実は一つ!というが、真実は何だったんだろうね。