フロイトの原因論に対して、アドラーは目的論を唱えていますね。仲違いの原因の一つでもある考え方の違いなのかもしれません。
子供が転んで泣いているのは、痛いから泣いているのではなく、泣くことによって保護者の注意を引いてかまってほしいから、みたいな考え方でしょうか。
プロジェクトマネジメントには持ち込めないか考えたりしてます。
原因論とは、簡単にいえば、過去の出来事が、現在の状況を作っているとする考え方のこと、目的論は、人は何かの目的があって、今の状況を作り出しているのだ、とする考え方。
アドラーが原因論を否定するのは、原因が全てに当てはまらないからだということです。転んで痛いから泣くのであれば、痛ければ全員泣くのか、ということです。ぐっとこらえて泣かない子だっているでしょ、みたいな。
なにかの障害があった時は、よくなぜなぜ分析をして、その原因→真因を探っていき、本質的な改善を行いますが、ここには目的論は持ち込めないですね。
やはり、「人」に関して問題が発生している場合に、目的論・目的思考でで考えることが適してそうです。なんでそれをやった、そういう行動をしている、と追求するよりも、「これから」「何のために」を問いかけていく、ということですね。なぜそうしたかという「過去」を見つめても、過去を変えることはできないのだから、「未来」に向け、どうしていくかに着目したほうがよいですね。それで、今後の行動変容を促していく、というのが精神衛生上もよさそうです。
すぐ切れるあの人とか、すぐにマウント取りたがるあの人。その人の目的を想像すると、こちらの気持ちや対応も変わると思います。プロジェクトで目的論をもって見る場合は、やはりコミュニケーションの部分ですね。すぐにことを荒立てる人、なかなかやらない人などなど。
私の好きな「未来志向」にも通じる考え方でした。